おしベジタブル(神戸市西区)
作り手と食べるひと、顔がみえる距離感をつくりたい。
「おしベジタブル」はフラットな集まり
神戸市西区の押部谷(おしべだに)という地域は、神戸市営地下鉄の西神中央からたった10分のところにあります。農地が広がり、めずらしい野鳥を求めてバードウォッチングの人も来るくらい、神戸市内とは思えないくらい自然豊かな場所です。僕はここで生まれ育ったんですが、あまり広くは知られていないこの地域を、もっといろいろな人に知ってほしいと思っています。
ここ10年ほど有機農業をしていますが、ここから生まれる野菜をアピールしたい。それには自分だけで動くのでなく、農業の仲間と一緒に動いていけたらと、「おしベジタブル」という名前で活動をはじめました。仲間の農家の農産物を集めてセットにして、ほしいお客さんに届けています。
「おしベジタブル」は会社でも組合でもありません。農家たちのコミュニティみたいなもので、参加している農家さんは、現在15人ほど。経歴もさまざまで、塾の先生をしていた人とか、東京でデザイナーをしていた人とか、映像作家の仕事と農家を両立している人もいて、育てている農産物も、キャラクターやバックボーンも個性豊かです。
旬の野菜を“おまかせ”でお届け
すぐ近くなのにつながりが薄かった西神ニュータウン限定で、5〜8種ほどの野菜を1000円のパックにしたものを週に1度、40件の方に配達しています。
またそれ以外にも、だんだんとおしベジタブルの存在が知られるようになり、地域の集まりや店先で売りたいからと注文があったり、マルシェに出てくれないかなどお誘いを受けることも増えました。
農家さんたちが集まるハブに
おしベジタブルの野菜の集荷拠点に自宅の倉庫を使っていたんですが、もっと多くの農家さんの役にもたてたらと、中古の冷蔵コンテナも手に入ったので、倉庫の横に設置しました。いろいろな農家さんがそのコンテナに野菜を置きにきます。コンテナの中は、おしベジタブル用や、ほかの販売先ごとにゾーンをわけています。
倉庫の前では、いろいろな農家さんの交流の場所になっていますね。それぞれの農家がいまどんな野菜をつくっていて、どれくらいの量があるか、その野菜ならここの仕入先がほしがっていたよとか、つなげようかなんて話もすぐでてきます。ぼくはつなぎ役なんですが、やってよかったとおもいます。
押部谷から農業の楽しさを広めたい
野菜は旬野菜をいろいろと育てていますが、葉物野菜や、ケールやブロッコリーもあまり知られていなかった品種をあえて育ててお伝えしていたら、だんだん皆さんうまく調理できるようになって、喜ばれています。そうやって新しい野菜にもみなでトライして、お客さんに喜ばれたらうれしいし、お客さんがこの畑に収穫にくるなんてこともあります。お子さんの食育にも役立ててもらえたら。
ぼくは、市街地と農地の距離感は、まだまだ遠いと思っています。作り手と食べるひとが顔をあわせて、なんでも相談できる関係をつくりたい。「おいしい」って声が届くと、ものすごく励みになるし、ニーズもわかる。押部谷の魅力とともに、農業の楽しさ、奥深さもしってもらえるといいですね。
おしベジタブル野菜セット
- 毎週木曜お届け
- 配達地域は西神ニュータウン限定
- ご要望・ご予算にあわせて発送も可能(送料別)
住所:兵庫県神戸市西区押部谷町高和292-1メールアドレス:ir8xgg7e@icloud.com