サニーサイド神戸(神戸市北区)

農福連携ジレンマ。でも続ける。

農福連携の現実と向き合う作業所

神戸市北区で農福連携や農産加工などを行う事業所が様々な課題を共有し意見を出し合うことで地域農業に貢献する農福連携プロジェクト「きたベジネット」。 きたベジネットの福祉施設同士が連携したマルシェでも野菜が喜ばれている就労継続支援B型事業所 サニーサイド神戸の吉中さん。 利用者さんには週に2~3日農作業をしてもらっています。野菜も有機栽培に徹しているわけではなくて、育ちが悪いと化成肥料を使うこともあります。それでも今は指導してくださる方が外部にいて、その方のおかげもありずいぶん野菜が育つようになってきました。自分たちだけでは農業についてまだまだ経験不足です。

畑作業は利用者さんに好評

利用者さんは現在23人。農作業に出るのは1回だいたい45人くらい。そこに職員が1人付いて午前か午後の半日ほど作業します。施設から30分ほど離れた場所に畑があるので、移動時間がもったいない感じなのですが、利用者さんの作業のしやすさや、ハウスの有無などで育てる野菜を工夫しながらやっています。

屋内での内職作業などもあるので、農作業に出る利用者さんが決まっているわけではありません。屋内作業が忙しいときや雨の日などは畑に連れて行けないんですが、そういうときは利用者さんから「今日は畑行かないの?」って聞かれるときもあります。農作業は利用者さんたちの楽しみにもなっているんですよ。

就労支援施設が取り組む農園事業が持つジレンマ

本当はもっと畑に行けたら良いのですが、職員の手が足りていないのが現状です。就労支援施設はどこも同じような問題を抱えていると思いますが、スタッフ(支援員)不足なので、外に作業に出るのも一仕事ですが、なんとか捻出しています。 ただ、就労支援施設としての目線で見れば、農作業の売り上げは屋内作業の半分ほどしかないのもあり、後回しにしがちですね。

一歩ずつでも進んでいきたい

私自身ここにきて初めて農業に携わるようになったのでまだまだこれからではあるんですが、それでも少しずつ前進はしていると思います。2020年はブルーベリーにも挑戦しましたしね。人と時間とお金が少ない中でもできることを具体的に示していきたいです。潜在的に農園をやりたい、畑作業をやりたいという施設は他にもたくさんあるのかもしれません。そうした法人の先駆けになれたら嬉しいですね。

住所:兵庫県神戸市有野中町2丁目5-19
電話:078-981-0825